今回は四柱推命の干支(かんし)の特徴や五行の性質や三合の解釈についてご説明したいと思います。
・四柱推命の干支について知りたい人
・干支の五行に関する性質を学びたい人
・特別な干支(かんし)について学びたい人
~四柱推命~特徴のある干支(かんし)とは?
四柱推命を推命する上で、個々の干支を理解していると、推命の質を上げることができます。
60種類の干支がある中、何が特別なのか。
特別な内容としては、特別な干支はある五行が強まりやすいことや干支の中で干合しているなど、
干支を十二支と十干に分解することでわかる性質や火の五行をもつ十二支が水を帯びやすいなどの特徴的な干支が60種類の中にはあります。
今回は特別な干支をピックアップしましたのでご紹介します。
~特徴のある干支~癸巳
癸巳(みずのとみ)という干支は、天干が癸(みずのと)、十二支が巳(み)です。
この癸は普段は比較的小雨な状態ですが、警報を発令するような暴風雨となることもあります。
日 大年
癸 己乙
巳 酉丑
この癸は酉巳丑の三合金局及び巳申の支合により、癸が非常に強まりやすい干支です。
一見、癸から巳を剋し、通根していない干支なので、比較的穏やかだと予測できますが、非常に強い自分を潜在的に持ち合わせていることが特徴的な特別な干支です。
四柱推命では、火運の巳でありながらも、水運に180度変わってしまう場合もあり、推命では注意すべき干支の一つです。
~特徴のある干支~乙酉
乙酉(きのととり)という干支は天干が乙(きのと)、十二支が酉(とり)の一見身弱な干支です。
しかし、酉の蔵干を見ると、庚辛が内在し、天干の乙と蔵干の庚が干合しています。
日 日
乙 辛
酉 酉
絶 建
乙が干合により辛に変化するのかは命式や運命の五行の偏り次第ですが、乙酉は干合しやすい干支であり、もし干合し辛酉になると、十二運は絶から建禄になります。
品の良さを醸し出す雰囲気をまとう乙酉は潜在的に負けず嫌いでプライドの高い美的感覚に優れた強さをもつ辛酉の性質を持ち合わせています。
この乙酉という干支は水の天干をもつ干支とは相性は良好ですが、干合後も辛であることから、天干が甲の干支とは比較的相性は好ましくないことが予測できます。
~特徴のある干支~甲寅
甲寅(きのえとら)という干支は天干が甲(きのえ)、十二支が寅(とら)の身強の干支です。
日
甲
寅
甲寅は甲に通根しているため、比較的身強です。
そして寅という十二支は寅亥の支合や午寅の半会から生じる火の五行による反生作用により甲を強めやすいという特徴があります。
甲寅は建禄という十二運が割り当てられていますが、60干支の中でも特に優れた強さをもつ干支であることがわかります。
~特徴のある干支~甲午
甲午(きのえうま)という干支は天干が甲(きのえ)、十二支が午(うま)です。
この甲午(きのえうま)は、特に丙(ひのえ)を強めやすい作用を持つ特徴があります。
他にも甲から丙に相生の関係になるほか、丙が午に通根し旺じます。
甲午が巡る時、潜在的に丙を強める作用を持つので、丙を好む甲の人にとって、有益になる場合などがあります。
~特徴のある干支~己亥
己亥(つちのとい)という干支は天干が己(つちのと)、十二支が亥(い)の干支です。
この己亥は比較的良質な辛を強める作用があります。
金の干支は土に埋もれやすいことが知られており、土の作用により輝きを失いやすく、土を洗い流す適切な水の五行や土を抑える役割をもつ木の五行が必要となります。
己亥という干支は元々亥水を内在しながらも、寅亥の支合および卯亥の木局半会により金を生じる土の干支として整った環境を持つ干支です。
陰の干同士であることも辛を強めやすい干支であることを押さえておきましょう。
~特徴のある干支~辛亥
辛亥(かのとい)という干支は天干が辛(かのと)、十二支が亥(い)の干支です。
この辛亥の天干辛は比較的輝きを放ちやすいという特徴があります。
辛は土の作用により埋もれ輝きを失いやすく(良質ではなくなる)、土を洗い流す適切な強さの癸や壬などの水の五行の干支が近くに必要となります。
日 行
辛 癸
亥 -
上記のように、辛亥は行運で癸がめぐると、日支亥により行運癸の根となり、日干の辛の輝きを強める適度な強さの癸が生じやすいことが特徴です。
良質な辛が強まることにより運が上振れする人にとっては、辛亥という干支はとても相性の良い干支となる(条件が揃いやすい、もしくは揃う期間が必ず一度はめぐる※)ためチェックしましょう。
※条件が揃いにくい干支や、行運との関係で条件が一部満たせない、足りない場合などがよくあります。
~四柱推命~合の解釈
合の解釈をする上で強まる五行が金であるとき、庚か辛のどちらの意味に近くなるのかマニアックな要素を交えてご紹介します。
~三合金局~酉巳丑の三合
酉巳丑の三合金局が成立すると、金の五行が強まりますが、金の五行の干には庚(かのえ)と辛(かのと)があります。
結論から言うと、「辛」に近くなります。
酉・巳・丑の天干は、必ず乙丁己辛癸です。
乙丁己辛癸
酉酉酉酉酉
三合金局が成立するために必要な干支には、庚は酉と巳の蔵干にのみ帯びているため、ポテンシャルはありますが、生じる金局の干支は比較的辛が多くを占めることが予測できます。
酉・巳・丑いずれの場合にも天干に配置される干は辛のため、現実化する事象として表面化する物事は辛に近しい意味として出やすくなりますので、推命に活用してみてください。
〜影響力のある干〜丙・癸・壬・丁
四柱推命の干支の中でも、比較的影響力のある丙(ひのえ)、癸(みずのと)、壬(みずのえ)、丁(ひのと)。
例えば、日干甲の人にとって、丙は食神であり、横に広がりを見せますし、癸は印綬であり技能技術知識、壬は幅広い知識として趣味を意味し、丁は傷官となり芸術が比較的伸びます。
このように、丙・癸・壬・丁は十干の中でも横に広がりを見せる、比較的高い影響力をもつ干支であることがわかります。
下記も参考にしてみて下さい。
影響力のある干 | |
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丙(ひのえ) | 丙はもともと太陽のように人を照らす役割があるため、丙がある場合では、日干が遠くからでも見える事ができることから、当事者が目立つほどの影響力をもつことができると言えます。 |
癸(みずのと) | 癸は雨であるため、広範囲に恵となる雨をふらせる事ができ、強さに応じた影響力を持つことが可能です。水の豊かな土地では、雨は不要となることがあり、影響力の吉凶を判断する必要があります。 |
壬(みずのえ) | 壬は河川や湖沼、海、津波として例えることができ、旺じすぎた場合では、木々をなぎ倒すような津波や激流となり、周囲に影響を与える干であると言えます。堤防や土でせきとめる必要があります。 |
丁(ひのと) | 丁は灯火であるため、自分自身を輝かせる事ができる一定の影響力を持つことができる干です。灯火のあるところには霊が反応を見せると言いますので、目印になる要素を持っています。 |
丙申と辛巳から生じる水の五行
丙申と辛巳は天干が干合、十二支が支合の関係であり、それぞれ水の五行が生じることが特徴的です。
まず、下記をご覧ください。
丙辛 壬癸
申巳 申巳
上記から生じる壬と癸ですが、元々丙と辛(金の干)から生じたことや申(金の十二支:水源)が絡むことにより、綺麗で澄んだ水の五行が生じることが特徴です。
そして、丙と壬、癸はそれぞれ影響力が強い干であることからも、クリアな思考と高い影響力を持つ行動力が期待できる時期であると言えます。
水の五行が示す通変星が意味する影響力を受けやすくなり、水の五行がいい意味で出る人はこの期間を必ず逃さずに活用すべきでしょう。
辰(たつ)と戌(いぬ)の違いを解説
辰(たつ)と戌(いぬ)の十二支は、どちらも土の十二支であり、天干の戊(つちのえ)と同様な特性をもつことがわかり、意味としては、お山・堤防・大きな岩などの性質があります。
また、戊辰や戊戌が命式内や運命に多く重なると、理想が高くなるという特質が出ます。
ここで、辰と戌の蔵干を見てみます。
辰:乙・癸・戊
戌:辛・丁・戊
上記の蔵干の初期と中期を見ると、辰は水木の気の流れをもち、戌は火金の気の流れを持ちます。
自分自身の命式が水木土の気を持つ場合においては、火金土に気の流れをもつ戌という十二支が運命で巡ると、踏み慣れた山を登ることとは異なり、馴染みのない山を登るようなちょっとした違いや思いを巡らす期間であることがわかります。
・自分の命式が水木に偏るとき
→辰が巡ると、慣れ親しんだ思いを巡らす
→戌が巡ると、新鮮な感覚をもつ
・自分の命式が火金に偏るとき
→辰が巡ると、新鮮な感覚をもつ
→戌が巡ると、慣れ親しんだ思いを巡らす
大運の十二支を蔵干を分けて見るときは、辰と戌の蔵干が自分の命式にとってどのような違いがあるのか見ることで、これまでの慣れ親しんだものなのかどうか、どのような思いを巡らし行動しようとするのか判断がつきやすくなります。
